「…ジャックは働かなくていい、そのかわりおれが稼ぐ、それでいいだろう」
「は!?何言ってんだ遊星!こいつをまた甘やかすつもりかよ!!」
「甘やかすとは何だクロウ、俺とて仕事を探していないわけではない、就職先が見つからんだけだ」
「それが甘えてるっつってんだよ!何でもやれよ!工場のベルトコンベア系でもよー!」
倒れた機械を起こすだけならてめーでもできるだろうぜ!
なんだと!
ぎゃーぎゃーと騒ぎ立てるクロウとジャックの間に、静かに遊星は滑り込んだ。
「だから、そのぶん、おれが修理を引き受ける、それでいいだろ、クロウ」
「遊星…」
どうしてそんなこと言うのかわからねえ、と目で言いながらも
「あっ、やべー配達の時間だ、行って来るわ」
クロウはブラックバードで飛び出していった。
ぽつんと残ったのは遊星とジャックの二人。
「遊星、突然何を言い出すんだ。さすがの俺も驚いたぞ」
「別に、突然ってわけじゃない…ジャックはここにいればいい
ああ、コーヒーを飲みに行くなら向かいの店にしてくれ」
そう言いながら三千円を渡そうとする遊星に、さすがのジャックもいぶかしんだ。
「別に、仕事が嫌なわけではない、俺に見合う仕事ならば今すぐにでも…」
「じゃあ、ここで新しいDホイールのデザインを考えてくれ」
ジャックのセンスは嫌いじゃないからな
そんなことを言いながら、パソコンに向かってキーを叩き出す。
ジャックは、そっとその背中に寄り添って、遊星を自分の膝の上に乗せた。
「なんだ、ここにいてほしいということか?ならば、こうしていてやろう」
「ん…」
遊星は、おとなしくジャックの膝の上に座ったまま作業を続けた。
実際、何度も考えた
他の皆は大丈夫なんだ
ただ、ジャックだけは…おれの目の届くところにいてほしい
何故かは分からない
ただ、怖いのかもしれない
また突然ふらりとどこかに行ってしまうかもしれない
行き先も知らせず消えてしまうかもしれない
サーキットで事故にあって海に落ちるかもしれない
ジャックだけがおれの中身をかき乱す
3年前、サテライトから出ていった時のように
会えないほど遠くに行ってしまったら、おれはどうすればいい
一緒に暮らすようになってしまってはもうダメだった
近くにいてほしい
見えるところにいてほしい
そうしないと安心できない…
「おれは弱くなったのだろうか」
「ん?何か言ったか、遊星…」
「いや…」
この気持ちをうまく伝えることはできそうにない。
ただ背中の温かさを失いたくないと強く思って、遊星はそっとジャックにもたれかかった。
遊星はジャックに惚れてるから色々許してるの?
じゃないと何故そんなに全部受け入れてるのか分からないよ!
と思ったのでイメージしてみた。
この二人の関係性は詳しいエピソードがなさすぎて、逆にそんなに惚れてるのか…と思ってしまう…よ…!